11期生 第4回 映像と音声の力関係

皆さん、こんにちは!今回もブログを担当します、土田です。

最近は本文に入る前の小話も特にないので、さっそく授業内容に移ります!

今回は、『映画の理論』より「台詞とサウンド」について学びました。

映画において、台詞やサウンドなどの音声情報は、映像の優位に立って情報を伝達したり、反対に映像の付属物として意味を持たないものとして扱われています。

今回の論文では、台詞が主導権を持った作品は、あらゆる情報を伝えるにあたって映像に頼る必要がなくなり、台詞に召喚されたイメージよりさらに映像の重要性が下落すると言われています。

また、写真的イメージと言語的イメージは互いに相殺されてしまうため、言語と映像の間で均衡を図ることはできないとも言われています。

そこで、映像の優位性を回復させるために、

➀音声の重要性を減らす

②音声を内部から弱体化させる

③音声の意味から音声の物質的性質へと強調点をずらす

以上の3つの方法が挙げられています。

また、ここからは音声と映像の関連について、いくつかの概念を提示します。

同期化と非同期化…サウンドと、本来の音源の映像の関わり

同期化:スクリーン上のサウンドと映像が現実の生でも同期している

非同期化:現実では同時に生じていないサウンドと映像が、スクリーン上では同時に起こったように処理されている

並列法と対位法…言葉と映像は何を伝えているのか

並列法:同期化の場合、話し手の言葉かショット、どちらかで既に必要なことを意味する

対位法:非同期化の場合、話し手の言葉とショットが異なるものを意味していて、共働作用によって現れる

●音声が優位で支配的な同期化が行われるとき、

・並列法では、映像は無意味な視覚的説明になり、何も注意して見ない観客のまなざしの前で揮発してしまいます。

・(見かけだけの)対位法では、同期された言葉に対して何かを付け加える意図があるように思われるため、発言内容に注目が集まり、映像が無視されます。

●音声が優位で非同期化が行われるとき、

・並列法では、実際のサウンドでは映像は単なる表象や記号となります。

・解説的なサウンド(ナレーション等)の場合も、映像の内容を反復する演説が観客の注意をそらしたり、重要な情報が解説者にゆだねられているため映像が補助的に甘んじられたりします。

●映像が優位で同期化が行われるとき、

・並列法では、言葉がなくとも話し手が伝えようとしている外観を理解することができます。

・対位法では、音声に集中することが求められずに目立たないため、映像に発言の機会が与えられます。

●映像が優位で非同期化が行われるとき、

・並列法では、音声による重複表現があっても映像から注意がそらされることはありません。

・対位法では、映像に強調点が置かれるショットから心理状態を表現することができたり、ストーリーを補完しつつ残した軌跡を垣間見せたりもすることができます。

このように、映像と音声は複数の関係性があり、映像と音声がある場面においてどのように対応しているかで、観客に与えられる情報や印象が異なります。

ここで、言葉による詩が重要なため映像の重要性が下落していると説明されていた映画『ハムレット』を分析しました。特に、ハムレットが岩にぼんやりと座りながら独白をするシーンについて考えました。

作中の中でも印象的なシーンですが、台詞の深刻さに対して映像の不明瞭さが印象的です。

これは、ハムレットの声を、ハムレットを演じるオリヴィエが聞いてそれを伝達するように台詞として言っているため、映像と比べて遅れて見えるのではないかと考えました。つまり、映像のハムレットがぼんやりとしているのは、魂としてのハムレットの言葉をオリヴィエの身体を通してハムレット役となった彼から言葉が発されているのではないか、ということです。

今回学んだ理論より、映像と音声を拮抗させようとした狙いは両立することができないため、『ハムレット』も音声が優位になり、映像は強いメッセージ性の台詞に負けた、ということになるのです。

『ハムレット』は台詞が主導権を握る作品のため、映像との均衡がとれずに、ぼんやりとした背景での独白のシーンが誕生した、ということが言えます。

台詞とサウンド、映像についての考え方は複雑で難しいですが、汎用性が高そうだなと思いました。

.

.

.

余談ですが、去年の春学期末レポートで扱った湊かなえの小説『未来』の映画を見にいってきました。 

今回の授業の直後だったので自然と言葉と映像の関係を意識してしまったのですが、カラオケを流すシーンで、登場人物のセリフを背景に、カラオケの映像に焦点を当てて構成されているような気がして、これが映像優位か、!と実感しました。他にも台詞優位だなと思うシーンや対位法だ!と気付く場面があり、新しい視点の獲得を実感できました。それはそうと、あのシーンは台詞も重要なような、、、、。

それでは今回のブログはこの辺りで終わりにしたいと思います。

また次回!