春学期第3回 4年ゼミ

こんにちは。今回の執筆担当の室です。
前回に引き続き、『Film Analysis 映画分析入門』から「第2章・カメラワーク」「第3章・編集」を扱いました。
以下、今回のレジュメです。発表担当は前田くんでした。

第3回

前回同様、今回もテキストの課題に取り組みました。
扱ったのは、第二章の課題になっていたアルフレッド・ヒッチコック監督の『鳥』(1963)です。
今回の課題は、「物語の内容を、カメラワークがどのように支えているか」というものでした。
議論の結果、家庭の支配者が母親のリディアから、息子のミッチに移る中で、画面の支配者も母親から息子へと変化することがわかりました。
はじめはカメラがリディアの動きを追っていたのに対し、物語後半ではミッチの動きに合わせてカメラが移動するようになります。

前回は、事前に鑑賞せずに課題に取り組もうとしたため、分析ができずに終わってしまった点もありました。
そのため、今回は事前に鑑賞することを宿題にしました。
映画の物語をしっかり把握した状態で課題に取り組んだため、他のシーンとの比較などもできるようになるなど、議論を進めやすくなり、より理解が深まりました。

次回は、『テルマ&ルイーズ』(1993)を議論で扱うことになりました。
毎週映画を鑑賞するのが習慣になりそうです。

奈良織恵さんが無印良品のサイトにて取り上げられました

今年3月に実施したプレゼミ合宿でお世話になった株式会社ココロマチの奈良織恵さんの取材記事が、無印良品(株式会社良品計画)のサイト「ローカルニッポン」に取り上げられました。シラハマ校舎にあるココロマチさんのサテライトオフィスで実施したプレゼミの様子も紹介されています。

都会と未来の豊かな未来を「ココロ」でつくる交流と発信/奈良織恵さん
http://localnippon.muji.com/localist/2580/

春学期 第2回4年ゼミ

こんにちは。今回の執筆担当は提中です。
今回から本格的に4年生のゼミが始動しました。
昨年度は3年生のゼミの活動内容についてのみ報告をしていた本ブログですが、
今年度から4年生も活動もこちらのブログにて報告をさせていただくことになりました。
3年次には、廣野由美子著『批評理論入門』をテキストとして使用し、
小説技法や批評理論を学んできた私たちですが、
4年生ではマイケル・ライアン、メリッサ・レノス著、田畑暁生訳『Film Analysis 映画分析入門』をテキストとし、映画の技法や批評方法について学んでいきます。

以下、第2回ゼミのレジュメです。今回のゼミの内容について詳しくはレジュメをご覧ください。

第2回_4年ゼミレジュメ

今回は、『Film Analysis 映画分析入門』の序章「映画における意味」と第一部の第一章「構図」について議論を行いました。第一部では主に映画の技巧について学んでいきます。
第一部第一章では、映画技巧の「構図」について詳しく説明されていました。
登場人物の位置関係や占める割合などの構図によって、人物間の上下関係や支配関係が描かれている、ということでした。
『Film Analysis 映画分析入門』には映画をみて、分析を行うという課題があるのですが、
発表担当であった室さんがDVDを借りてきてくれたため、実際に映画を流しながら、
今回の内容を使って分析を行いました。

今回は、『ガス燈』(1944)の25:50~27:00のショットの分析をしました。
課題は、フレーム内のナンシー(家政婦の女性)とグレゴリー(雇用主の男性)、ポーラ(グレゴリーの妻)をフレーム内の分割のされ方から比較する、というものでした。
議論では、グレゴリーとポーラは対等な位置関係であるのに対し、ナンシーとグレゴリー、ナンシーとポーラがフレーミングされる際は、常にナンシーが画面下部に配置されるということから、ナンシーがグレゴリーやポーラに比べ、低い階級にいるということが構図から見て取れる、ということになりました。
また、ナンシーとグレゴリーが鏡越しに会話をするシーンがあるのですが、
このシーンでナンシーは鏡に映された姿でしか映りません。これは鏡=フィルターを通して見る、ということから、雇い主と雇われ主の関係が現れているのでは、ということも議論に上がりました。

今回の議論は、テキストの内容を実際に映画を見ながら、実践し、分析を行ってみるという形になったのですが、今後のゼミでもこの形式が恒例となりそうです。私は昔に公開された名作映画をあまり見てこなかったので、ゼミを通して様々な名作映画に触れていくことができたらいいなと思っています。

では、また次回お会いしましょう。