11期生 第2回 同じ画面に映されているのは何だ!

みなさんこんにちは

久しぶりにブログを書きます!担当の土田です。

気が付いたらもう4年生になっていて、5月も中盤に差し掛かっていて、時の流れの速さに驚いています。

2コマ分あったゼミの時間も1コマになったため、ここでも時間の流れる速さを感じています。また、今年度からは映画の作品分析に入ったため、昨年度とはまた違った視点を養うことができそうで楽しみです。

しっかりと有意義なものにするぞ、ということで忘れないうちにブログを書くことを目標に、頑張りたいと思います。

「カメラワーク」

今回の担当は井上さんで、『Film Analysis』から、カメラワークについて学びました。

まず、映画においてカメラワークとは、対象物との距離によって変化するショット、アングル、カメラの動き方、レンズの焦点距離の組み合わせによって発生するものです。

例えば、表情や細部を強調するために被写体を画面いっぱいに映し出す「クローズアップショット」では親密性を、クローズアップショットよりも引いた胴体も映す「ミディアムショット」では人間関係を強調する意味を持ちます。そして、さらに被写体とその周囲の環境を広く捉えた「ロングショット」は、非人格性や客観性と相性がよく、周囲の環境と人間の環境に注目させる意味を持ちます。

他にも、アングルにおいて、上から映すハイアングルは支配的な印象を、下から映すローアングルは優越感や権威などを意味します。

また、カメラの動かし方にも手法別の効果があり、カメラを水平に左右に振って被写体を追う「パンショット」は、関係の意味付けのために用いられ、人間関係の樹立や社会集団の説明に意味を持ちます。

パンショットはカメラは固定されていますが、カメラ事態を動かすショットとしては、被写体に沿ってスムーズに移動させる「トラッキングショット」や、カメラを台車に載せて被写体に対して平行移動させながら撮る「ドリーショット」という手法が挙げられています。

特にドリーショットは、この後分析する映画『シャイニング』にも用いられており、ダニー(息子)がホテルの廊下を進む場面では、人間の生命の「循環」や「繰り返し」を表していて、これは映画全体のテーマでもあるようです。

最後にレンズについても説明します。

観念を伝える道具としても用いられるレンズでは、焦点を調整することで観客の目線を誘導できます。

また、ズームインすることである人や物に焦点を絞り、ズームアウトすることで事物から焦点物を遠ざけて、周囲の空間との対比の中で消してゆく効果があるのです。

以上が今回の論文の内容になります。

これを踏まえて後半は、映画『シャイニング』の分析を行いました。

私たちは特に、ジャック(ホテルの管理人・夫)とウェンディ(妻)が、大広間の階段とお風呂場で対峙するシーンについて考えました。

分析に入る前に、この物語の前提を振り返りました。ジャックらが滞在することになったホテルは、本来ネイティブアメリカンたちの土地で、彼らを追い出して建てたのが、オーバールックホテルなのです。

それらを示唆するように、ロビーにはネイティブ柄のラグが大きく広げられていました。

よってこの映画の背景にはネイティブアメリカン対白人の二項対立が存在していると考えられます。その視点で考えると、ネイティブアメリカンに憑かれたジャックは白人側であるウェンディを追い詰めます。階段で2人が対峙するシーンでは、ジャックとウェンディを視点を変えながら、1画面に2人の姿が映るようなカメラワークが採用されています。

この場面ではウェンディはバットを持っているものの、迫ってくるジャックにひどく怯えています。この時点では、2人が1画面に映るという点から、ウェンディもジャックも相互作用が可能な状態であると考えられます。よって、ウェンディは危害を加えられる可能性があり、ジャックもまた同じで、最終的にジャックはウェンディによってバットで殴られ転落します。

続いて、お風呂場に逃げたウェンディをジャックが追いかけるシーンで考えます。こちらのシーンでは、先ほどの階段の場面と比較すると、2人が1画面に映る瞬間がないことが分かります。ジャックは斧という武器を持ちウェンディに迫っているため、一見ジャックの方に優位性があるよう感じますが、2人が同じ画面に映ることができない、という点で、もはや2人は相互に作用することが不可能な状況になっているのです。

つまり、階段のシーンではまだ、ネイティブアメリカンの気を背負っている程度であったジャックは、お風呂場のシーンになると完全に憑りつかれてしまい、白人側のウェンディに危害を及ぼすことは不可能となるのです。

その後、家の外の迷路で息子のダニーをジャックが追いかけるシーンでも、2人は同じ画面に映ることはありません。

このことを踏まえるとカメラワークから、同じ場所にいる2人の相互関係についてを明らかにすることができるのです。

つまり、同じ画面上に映るか否かに注目すると、ウェンディとダニーの無事を予測することができた、ということです。

私は、お風呂場のシーンを見た時、ジャックの狂気と斧の強さにあぁもうダメか、とウェンディの命を案じてハラハラドキドキしてしまっていたので、このことを知ったらホラー映画も怖くないかも?と思いました。

これからも1画面に映る人物の関係に注目すると、新たな発見をすることができるかもしれません!

それでは今回はここで終わります。

ここまでお読みくださりありがとうございました~!次回へ続く