2年ゼミ第6回「作者はもう死んでいる」

 こんにちは。第6回担当の齋藤穂花と申します。

 前回まで名前の話が続いていますね。今回は内藤先生の名前の起源についてお話も聞けました。というわけで、私も何か書き記せることがあればと思ってパソコンに向かったのです。……向かったのですが、いかんせん「齋藤穂花」などという、ひと学年に一人は必ず見かけそうな名前と、ひと学年に一人どころか、うじゃうじゃいそうな苗字のコンビ。どうせなら「山田花子」とか、TOP OF 凡庸! といった名前の方が面白かっただろうに……(失礼)。

 ところが、私のThe 凡庸! な名前にも一応、非凡庸な話がありました。なんと、なんと……私の名前は最初、「ユリア」になる予定だったのです! というのも、厄介ヲタク選手権おじさん部門代表である父(どうか父にはご内密に。笑)が『北斗の拳』に熱を上げるあまり、ヒロイン(超絶美女)の名前「ユリア」をそのまま私につけようとしたというのです。しかしなぜ「ユリア」が「ホノカ」に変貌を遂げたのかはいまだに謎のままです。父の酒の肴は『北斗の拳』語りに逸れ、そのまま直進して戻ってきませんでした。そして、なんということでしょう(某住宅改造番組風)。私も『北斗の拳』が読みたくて堪らなくなってしまいました。お父さん、布教用に全巻買ってくれればいいのに。ヲタクは魂を賭けて信ずるものを布教する生き物だというのに(主観と偏見)。

 というのが、今回のブログの何番煎じか分からないタイトルを決めた経緯でございます。魂を賭けた『北斗の拳』ファンの方がいらしたら申し訳ございません。けれど、実際にバルトもこう思っていたり……なんてことはないか。というわけで、自分語りが過ぎてしまった気もしますが、ここからはちゃんとゼミの内容をお送りいたしますよ、たぶん!


1.前座:形部龍之介さん


 今回の前座を担当してくれたのは、形部龍之介さん。アニメーションの作画についてレクチャーしてくれました。素晴らしい作画は作品のクオリティの底上げに一役買っていて、特に作画が良いと評判なのが京都アニメーションだそうです。逆に作画崩壊で有名なのはキャベツ問題。たしかに調べてみたら「キャベツ色のドッジボール……?」となりました。むしろ芸術? 最後に、京アニ最高傑作の『バイオレットエヴァーガーデン』が金曜ロードショーで二週連続放送中なので是非みてみてね、とのことでした。私の積みアニメリストがどんどん膨らんでいきます。うーん、幸せ。(見ろ)


2.リアクションペーパーに対する応答


 前回の講義内容であったロラン・バルト「作者の死」について、今回も熱い熱いラブレターがたくさん届いていました。

 まずは「個」という概念について。まだ掴み切れていないという声もあり、時代背景も含めて先生から解説がありました。その頃西洋に染みついた「個」の概念は、家父長制の文化があった日本にはなかなか広まらず、明治時代の文明開化でがらりと思想が変わるということが起こったといいます。「歴史を学べば当たり前だと思っていた考え方が絶対じゃないと分かる」という先生のお言葉には目の覚めるような思いでした。(本当に寝ていたわけではありませんよ?)

 また、それに関連して、平野啓一郎著の『私とは何か「個人」から「分人」へ』という本を紹介していただきました。就活鬱になったときに救われそうな内容でしたね。ぜひ読んでみたいと思います。

 次に、エクリチュールについて。こちらは先生に前回できなかった説明をしていただきました。バルトは、あるエクリチュールが生み出された「起源」は特定できないと主張しています。ほほ~、なるほど。たしかに私も『北斗の拳』が何年の連載開始か知らん(知識不足)。……ではなくて、エクリチュールとは、起源とは一体何ぞや。 この純然たる(?)疑問を解消するには、バルトの時代に元々浸透していた考え方を知る必要があります。当時、文学については「書かれたものは死」、「声は生」と考えるのが主流でした。書かれたものは半永久に存在し、逆に声は一回的なものであることからです。バルトはそれに異を唱え、エクリチュールはそれを生み出した主体に紐づけられるものではないと主張したのです。そして、エクリチュールではあらゆる自己同一性が失われるとしました。自己同一性? WHAT? という人は『鬼滅の刃』や『鋼の錬金術師』を見てみてください。これらは女性作者が描いていますが、男の主人公像や物語が薄っぺらいなんてことはありませんよね。

 最後に、テクストについて。「テクスト」とは本来織物のことであり、バルトはテクストを「無数にある文化の中心からやって来た引用の織物である」としています。ここではその「引用」に関連し、先生のお名前の由来を聞くことができました。究極をいえば、私たち人もテクストなのだということが分かりますね。私の中にも『北斗の拳』という偉大なる引用が……入っていると言えるのでしょうか。笑

 そんなこんなで、「作者の死」については今回でひとまず終わりとなります。皆さん、お疲れ様でした! 次週からはもっと難解そうな理論が立ちはだかりますね。頑張り……ましょう……。


3.学期末レポートの構想発表:大胡田さん

 ……のはずだったのですが、時間が押してしまったので次回に発表してもらうことになりました。楽しみです。


4.論述文の書き方の学習2

 今回は論文の構成要素(内容)の復習と、アウトラインの作成について学習しました。論文の構成要素にはテーマ、論点、結論、論拠の四つがあり、アウトラインには序論、本論、結論があります。アウトライン、と聞くと輪郭を思い浮かべそうですが、ここでは骨組みを意味するそうですね。骨を組み立てては崩し、組み立てては崩してまた組み上げる……という作業の大切さは、ブログ執筆にあたって改めて痛感しました。更新が遅くなってしまったこと、お詫び申し上げます。私のようにならないように、皆さん学期末レポートに向けて頑張りましょうね(どの口が)。

 ちょくちょく私見や願望がにょきっと顔を出してしまいましたので、スパッと締めたいと思います。ここまで読んでくださりありがとうございました! 私は期末レポートまでに『北斗の拳』……ではなく、厄介だけど優しいヲタクの父が録画してくれたハガレンの一挙放送と『ヴァイオレットエヴァーガーデン』を、先に見尽くしたいと思います。それではお元気で!

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