春学期第7回 4年ゼミ

こんにちは!
今回は、第7回ゼミについての記事です。ブログ担当は提中です。
今回は、『Film Analysis』第10章・心理学的批評についての議論を行いました。
発表担当は室さんでした。
以下、今回のレジュメです。

第7回

さて、今回は、ジョナサン・デミ監督の『羊たちの沈黙』(1990)を取り扱い議論を行いました。
実際に映画で気になったシーンを確認しながら、議論を行いました。
今回、教科書で扱ったのは、心理学批評でしたが、この映画は、「男」になることで成長した主人公・クラリスや、女になりたい猟奇殺人犯・ジェーミーが描かれているということもあり、ジェンダーに関する問題も議論に上がりました。クロフォードとレクターという二人の父親的な存在を得て、理性や意識で動くようになり、「男性」になったことで成功した主人公・クラリスの描写からは、社会の中で活躍することが出来るのは、女性ではなく、男性でなくてはならない、というようなジェンダーの問題が感じられます。また、女性になりたかったジェーミーが、最終的には殺される、という描写からも、「男性」は「男性らしく」いなければならず、そこから逸脱したものは排除されるべきだというジェンダーの問題が見て取れます。
議論では、以上のようなジェンダーに関する問題が上がりましたが、心理学的批評では、「父親」や「母親」という存在が人間の精神形成にとって重要であるという問題も扱っているため、ジェンダー批評との間に関連があるのではないか、ということも議論に上がりました。

4年のゼミ生は、去年の論文でジェンダーについて扱った人が多いため、どうしても議論がジェンダー寄りになってしまいがちです・・・(汗)

次回のゼミでは、ジョン・マクティアナン監督の『ダイ・ハード』(1988)を取り上げることになりました。