春学期第2回 3年ゼミ

初回投稿、緊張します。この春から4期生として内藤ゼミに所属することとなりました、大下由佳と申します。
4期のゼミ生は私含めて2人ということで、極めてアットホームに、仲良く頭を突き合わせて活動しています!
初回授業の際、ゼミ運用に必要な役割を2人で分担し、お互いにけっこうな負担があるのねと確認。また、例年との人数差は加味せず、先輩方のやってきたものと同じスピードと量で授業を進めていくことが決定。4限で先輩のお力をお借りしながら授業をすることを除いてはほぼノーハンデでこの内藤ゼミで活動することとなりました。今後のゼミ活動に多少の不安と期待を持ちつつ、協力プレイで頑張って参ります。

さて、第2回の授業では、3限に廣野由美子著『批評理論入門―「フランケンシュタイン」解剖講義ー』(中公新書)のⅠ-1,2を、4限にテリー・イーグルトン『文学とは何かー現代批評理論への招待ー』(岩波書店)の序論を読み解いていきました。

3限のレジュメはこちら→第2回 「冒頭」「ストーリーとプロット」

1「冒頭」については、主に〈手紙を利用した導入は本当に読者を引き込むことができるのか〉について議論しました。廣野氏は手紙という現実的なものを足掛かりにして読者は物語世界に入り込みやすくなると主張していますが、私たち2人の意見は「手紙って身内ネタじゃん。読み取りづらいですよ」で一致。本を読みなれている人は突然手紙から物語が始まったとしても、なんなく読みこなせるだろうが、あまり読んだことのない人はかえって混乱してしまう。この主張に行き着くにはある程度の読書量があることが前提ではないか、と考えました。
また、2「ストーリーとプロット」では、〈サスペンスとは何なのか〉の解釈に手こずりました。英訳すると単純に不安や緊張、未解決というような意ですが、構造的にサスペンスとは何なのか、を議論しました。そして、小説においてどのようにプロットを操作したらサスペンスになるのか、時間いっぱい考えて、『三匹のこぶた』の物語にサスペンスを加えてみることに挑戦。ほかに、〈「運命」とは何か〉という大命題も出ましたが、時間の関係で次回授業に持ち越しになりました。

4限の授業では練りに練った発表データをおうちに忘れてきた増尾さんが、記憶と戦いながら120分ほどで再構成した新しいレジュメを持ってやってきました。
議論した内容は、文中で繰り返し導き出される「文学とは何か」を考える二分法を徹底して読み解くこと。そして、文学を文学たらしめるのは、その文学自体の価値ではなく、時代によって変化する〈価値基準〉のなかで文学と決定づけられるのだということを理解しました。
横道に逸れたり、議論が止まった時、そっと手助けをしてくださった4年生に感謝です。

まだ文学について、批評理論について学び始めだったこともあり、議論中に何度も「後々勉強するから楽しみにね」と先生に言っていただくことが多かった今回。「視点」や「時間」などの物語構造における基本的要素を知った後、もっともっと私の見る世界は広がるのだろうな、と感じました。
知的好奇心を忘れず、次回以降も頑張ります!