こんにちは!今回のブログを担当します、土田麻織です。
4人で回しているため、早いものであっという間に2度目がやってきました。
木曜日のゼミを基準とした一週間の流れにはだいぶ慣れたものの、取り組む内容に関してはまだまだ試行錯誤、右往左往、暗中模索している今日この頃です。
それでは早速授業内容に移ります。
前座
今回の前座は私が担当しました。紹介したのは、バカリズムさん脚本のドラマ『ホットスポット』です。このドラマは今年の1月から日本テレビで放送されていた作品で、Huluやネットフリックスでも見ることが出来ます。
この作品は「地元系エイリアンヒューマンコメディ―」というキャッチコピーを掲げています。富士山の麓のとある町で暮らす主人公が宇宙人と遭遇して、不思議な出来事が起きたり起きなかったり、、、?と言ったまさに「地元系」の「エイリアンヒューマンコメディ」なのです。
まず、バカリズムさんの脚本なので女子会雑談のテンポが最高で、小ネタ満載でとても面白いのが魅力です。私はこの会話劇にまんまとハマり、同時並行でバカリズムさん脚本の『ブラッシュアップライフ』と『架空OL日記』も一気に見てしまいました!
そして、衣装やセットがかわいいところも私のおすすめポイントです。主人公を含めた幼馴染3人組はよくランチ会をするのですが、回ごとにみんなの衣装の色味が統一されていてとてもかわいいのです!主人公が働いているレイクホテル浅ノ湖の制服も赤色で昭和レトロな雰囲気がとてもかわいくて視覚的にも楽しめる作品です。
ほっこりできてくすっと笑える楽しいドラマなので、見ていない方がいたらぜひご覧ください!
長くなってしまいましたが本題に入ります。
3限 「声」「イメジャリー」
今回の3限はジョウくんが担当して、廣野由美子さんの『批評理論入門』から「声」と「イメジャリー」の2つのテーマについて学びました。
声
作品における「声」の存在は、読者に語り手の意思を推測したり、登場人物の考えを予測させたりする影響を与えるそうです。
ロシアの批評家ミハイル・バフチンは、小説言語を示す際に「モノローグ」と「ポリフォニー」という二つの概念を用いました。
「モノローグ」は独白を意味して、作者の単一の意識と視点によって統一されている状態を指します。
「ポリフォニー」は対話を意味して、多様な考えを示す複数の意識や声がそれぞれ独自性を持ったまま互いに衝突する状態を指します。
「ポリフォニー」はあらゆる小説に当てはまるものであり、多様な文体や声を取り込み、多性的なメロディを織りなす文学形式であるのです。
実際に『フランケンシュタイン』には複数の語り手が存在していて、それぞれの独立した声が衝突している様子が見られました。
例えば、フランケンシュタインに宛てられたエリザベスの手紙。病に倒れたフランケンシュタインを心配して書いた手紙の後半には世間話が綴られています。彼女の地域の人たちのうわさ話のほとんどが結婚にまつわる話なのです。ここから著者の廣野さんは、エリザベスの「声」を通して彼女自身の想い、つまりフランケンシュタインと結婚したいということがほのめかされていると指摘しています。
このように考えると、一見物語にはあまり関係のないように見える描写もそれは実は登場人物の本心であり心の声なのではないか、と検討することが出来るのでしょうか。
読書の幅が広がった気がします。
イメジャリー
ある要素によって、想像力が刺激されて視覚的映像などが喚起される場合、そのようなイメージを喚起する作用を「イメジャリー」と呼びます。
イメジャリーにも様々な働きがあり、使われ方がそれぞれ異なるため、私たちはそれらの働きを使い分けられるようになるまで理解を深めることに努めました。
以下がイメジャリーの働きです。
・メタファー(隠喩):A≒B
例)白雪姫…雪のように白い姫、あることを示すために別のものを提示してそれらの間の共通性を暗示する
・メトンミー(換喩):A>B 全体と一部の関係
例)赤ずきん…赤ずきんと聞くと我々は童話のあの「赤ずきん」を思いだすが、赤ずきんと言う言葉は単に赤い頭巾である。あの「赤ずきん」は赤い頭巾をかぶった女の子
・シネクドキ(提喩):A⇊B 具体と抽象の関係 上下移動が生じる
例)花見…花という抽象的な言葉で桜という具体的な言葉を指す
・シンボル(象徴):ある意味を持つ記号、表象
例)鳩は平和の象徴…鳩と平和に類似性はないし、鳩である必然性はないものの猫など他のものに置き換えることも出来ない
・アレゴリー(寓意):具体→抽象 具体的なものを通じて抽象的なものを暗示すること
例)ジョージ・オーウェル『動物農場』…人間の支配に反抗した動物たちが自分たちの理想郷を作ろうとするが、最終的には支配階級のブタが独裁を始める。
→冷戦後のレーニンやスターリンの主導したソビエト全体主義の批判
今回の章では『フランケンシュタイン』の中で用いられているイメジャリーにについて、「月」と「水」が挙げられていました。
月は「象徴」の役割、ギリシア神話において女性のシンボルとして扱われているため、母性を意味します。そこから、狂気や想像力、詩的霊感、純潔と無節操、多産と不妊など、月は様々なものの象徴として使われています。
作中では、フランケンシュタインが怪物を始めとする人造人間を制作する行為を「出産」と考えた時、月明かりに照らされる情景描写から月の母性を象徴とする役割が裏付けられています。
『フランケンシュタイン』で用いられているイメジャリーについては「水」も挙げられています。湖や海は死を象徴とする場として、一方でライン川や新婚旅行に船で出かけた時など、美しく幸せな描写にも水は用いられています。この時の「水」は忘却や浄化を象徴しています。
このように様々な対象物がある事柄のイメージを喚起するものとして作中に登場しているのです。
4限 『ドストエフスキーの詩学』ミハイル・バフチン
4限は藤田くんが担当しました。課題文はミハイル・バフチンの『ドストエフスキーの詩学』です。
この文章を理解するため、そしてブログの執筆が円滑になるようにとこの機会に『罪と罰』を図書館で借りてみました。まだ途中なのですが、バフチンの言っていることはこういう部分からきているのか、と見当がつくようになったので、また読了したらこの文章に帰ってきたいと思います。
この文章では、ドストエフスキーの作品は従来のモノローグ的小説を破壊していて、ポリフォニー的な世界を構築しているというテーマで展開されています。
従来のモノローグ的な小説では主人公は作者の言葉の客体として在るけれど、ドストエフスキーの作品の主人公は、自らを作った者、つまり作者と肩を並べ、創造主に反旗を翻す能力を持つような自由な人間である、と述べられています。
「真実はいつもひとつ!」と声高々に言っている名探偵コナンは紛れもなくモノローグ的であり、シェイクスピアなど悲劇性を出す作品はポリフォニーが使われています。今回は、モノローグの状態とは具体的にどのようなことなのか、例文をそれぞれで考えながら議論を展開していきました。
この二つの違いをはっきりと理解したうえでどちらが好きか?という話になったのですが4人ともモノローグ的な作品が好みなようでした。
今回の文章は比較的読みやすかったものの、内容を深堀していくと理解しきれていない部分や疑問点が浮かび上がってきて、納得するために白熱した議論が繰り広げられたと思います。
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございました。
3限で扱ったイメジャリーで水についての記述がありましたが、私が2年春学期の内藤先生ゼミの期末レポートで同じように水は何を表しているのか?というようなことを書いたことを思い出しました。「メタファー」という言葉を使っていたような気がしますがあれは「シンボル」だったのではないか、といまさらながら不安になっています。AはBのメタファーという言い回しを気に入っていたのですが、あれは全部微妙に違っていたのかも、、、。
余談ですが、前座で紹介した「ホットスポット」作中の宇宙人は、能力を使い消耗した部分を温泉で癒すという特性がありました。温泉も水なので、考え方によっては何かの象徴かもしれないですね。ただ単に温泉=リラックスの意味かもしれませんが。
イメジャリーの理論は好きなので、今回の授業を経て正しく使えるようになっていることを願って今回のブログを締めたいと思います。
長いブログにお付き合いいただきありがとうございました。また次回お会いしましょう。