9期生第3回 『film analysis 映画分析入門』第1部第4章アートディレクション

2連続の阪口緑です。

みなさん、新緑の季節となりましたね。

新緑の季節といえば、そう、私の所属する明治大学マンドリン倶楽部の創設者の一人で、昭和の歌謡史に燦然と輝く偉業を残された古賀政男先生作曲の「緑の地平線」ですよね!!

※ここからしばらく宣伝です

阪口がコンサートミストレスを務める明治大学マンドリン倶楽部は、年に2回定期演奏会を行っています。

この春は6月1日土曜日に、神宮球場のすぐ近くにある「日本青年館ホール」にて第194回定期演奏会を開催いたします👏

今回のテーマは「古賀政男先生、生誕120年を祝して」です。

そしてゲストはなんと、あの小林幸子さんです✨

実は小林幸子さんは、古賀政男先生が審査員を務める番組でグランドチャンピオンを獲得し、デビューのきっかけを掴んだんです!

懐かしい古賀メロの旋律、そして小林幸子さんの代表曲や、学生なら誰しも歌える「千本桜」をマンドリンの音色でお楽しみいただけます!!!

昼の部は完売目前ですが、夜の部でしたらまだ小林幸子さんを近くで見られるお席もあります!

ぜひお越しください!!!!!

公式HP↓

http://mumc.jp/concert/?id=22

長文お付き合いいただきありがとうございました!

本日の課題文

さて、9期生3回目はマイケル・ライアン&メリッサ・レノス著『film analysis 映画分析入門』第1部第4章アートディレクションを扱いました。

今回のキーワードは「アートディレクション」です。

アートディレクションとは、プロダクション・デザインとも呼ばれ、映画の中の視覚・聴覚的な環境を構築することを指します。

著者の主張はこちら!

視覚・聴覚的な環境(セット、ロケ地、照明、色彩、音響など)は、単なる背景や映像・音ではない。そこには、何かしらの意味が込められている!

大論点:映画におけるアートディレクションとは何か?

結論:セット、ロケ地、照明、色彩、音響などの意味づけを行う重要な要素

Q.映画のセットには、どのような意味づけがされているか?どのようなアートディレクションの要素があるか?

→下記の4つ

①作品テーマの想起

②作品テーマの強調

③アクションの示すことの強調

④ストーリー内で起きる重大な変化の提示

Q.道具・衣装には、どのような意味づけがされているか?どのようなアートディレクションの要素があるか?

→下記の3つ

①人物の内面の表現

②人物の内面の変化の表現

③作品テーマの表現

Q.照明には、どのような意味づけがされているか?どのようなアートディレクションの要素があるか?

→下記の4つ

①作品全体を統一する雰囲気の提示

②人物の感情表現

③人物の性格表現

④観客のミスリーディング

Q.色彩には、どのような意味づけがされているか?どのようなアートディレクションの要素があるか?

→下記の2つ

①人物の変化の表現

②作品全体を統一する雰囲気の提示

Q.音(音源、音響)には、どのような意味づけがされているか?どのようなアートディレクションの要素があるか?

→下記の2つ

①観客の感情的反応を引き出す、観客の注意を引き付ける

②作中のテーマやモチーフの提示

本日の応用

この理論を踏まえて、1980年のアメリカ映画『シャイニング』はどのように解釈できるのかを議論しました。

シャイニングの道具やセットには、本や写真、貯蔵庫、文化財のホテル、寒い場所といった「保管、貯蔵に向いたもの」が登場します。

これらは人工的かつ一方的に保管されてきたものなので、サバルタンとして機能しているアートディレクションなのではないかと考えました。

サバルタンとは、「自らを語る声を持たない従属させられた社会的集団※1」を意味します。

※1時事用語事典「サバルタン」

https://imidas.jp/genre/detail/L-101-0117.html

つまり、『シャイニング』に登場する「保管、貯蔵に向いたもの」をアートディレクションとして全面に出すことによって、視聴者に埋もれた歴史(=人工的かつ一方的に保管されてきた自らを語る声を持たないもの)を考えさせているのではないでしょうか。

また、『シャイニング』では、主人公が最後凍死します。

この描写を記述された歴史の一部として貯蔵されたと解釈するのであれば、主人公も最終t系に、人工的かつ一方的に保管されてきた自らを語る声を持たないサバルタン側になったと述べることができるのでは、と結論づけました。

私はアートディレクションめちゃくちゃ好きな理論でした!

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