11期生 第11回 東洋と西洋、そこに優劣あり

こんにちは!
第11回のブログを担当する藤田雄成です。

前回のブログからだいぶ時間が経ってしまいました。あれ?前回も同じことを言ったような気が…
遅れた理由はいろいろ訳がありますが、言い訳はよくないですね(汗)

気づけば、私にとって今学期の最後のブログですね。ブログの感想は最後に言うとして、早速内容に入っていきたいと思います!

前座

今回の前座は私が担当しました。今回は準備不足でめちゃくちゃな発表になってしまいました笑
これは反省です。
私が今回発表したのは辻村深月さんの作品です。辻村深月、と聴いてみなさんは何を思い浮かべるでしょう。有名な作品として「かがみの孤城」が挙げられると思います。この作品を読んだときはとても感動しました!今回はこの作品のほかに「冷たい校舎の時は止まる」、「子供たちは夜と遊ぶ」など多数の作品を紹介しました。前にあげた2作品はかなり暗い話なのですが、とても引き込まれる作品です。
ぜひ、みなさんも読んでみてください!

3限

3限は井上さんが批評理論入門の「脱構築」、「精神分析批評」について発表してくれました。

脱構築
さて、脱構築については前回の授業で学んだのでその復習、という感じでした。よって今回はこの脱構築を用いたフランケンシュタインの分析を見ていきたいと思います。
まず、この物語において生と死が脱構築されています。怪物を創造するという生命を生み出したフランケンシュタインの行動は結果的に多くの死をもたらしてしまいます。
また、創造主と被創造物の関係も脱構築されています。怪物を造ったフランケンシュタインはその創造主としての威厳が消え去り、逆に怪物に説いて聞かされる場面があります。
この他にも潔白と有罪、光と闇といったことが脱構築されています。
また、この脱構築批評では中心的な意味がないことを否定することに主眼があるといえます。
例えばフランケンシュタインはチャールズ1世に同情する保守的な人物として描かれると同時に自由に思いをはせる急進的ともとれる描写もある。このようにフランケンシュタインの物語内では対立を深めることによって中心的意味の存在を否定しているといえます。

精神分析批評
精神分析では複数の人物の理論が紹介されていました。
まず、フロイトです。フロイトの考えの特徴としてエディプスコンプレックスがあります。これは父に代わって母親の愛を独占したいという男児の欲望のことをいいます。
次に紹介されたのがユングです。彼はフロイトが強調した人間の無意識と性との関係に異を唱えました。彼は人間の無意識には生まれながらにして民族や人類全体の記憶が保有されていると指摘し、それを集団的無意識と呼びました。集団的無意識によって受け継がれてきたものを原型と呼び、その中核をなすものとして、影、ペルソナ、アニマ、アニムスがあります。それぞれについて解説していると長くなりすぎてしまうので割愛します!
次はフレイザーの影響で生まれた神話批評です。これは個人や歴史を超えた人間経験の原型を文学作品のなかに探し当て分析しようとする批評です。これは少しプロップの理論と通ずる部分があるように感じました。
最後にラカンです。彼はフロイトの理論を発展させ、それに言語という新たな要素を加えました。彼は幼児の発達段階は言語との関係において「全エディプスコンプレックス段階」、「鏡像段階」、「エディプスコンプレックス段階」の3つに区別できるとしました。これ以上の説明は割愛させていただきますが、言語と絡めて分析したのがラカンの大きなポイントです。

4限

4限は土田さんがエドワード・サイードのオリエンタリズムについて発表してくれました。
オリエントと聴いてみなさんは何を思い浮かべるでしょうか?「オリエント急行殺人事件」を思い浮かべた人もいるでしょう。私が思い浮かべたのはエジプト、メソポタミアの地域です。なぜなら世界史の授業で古代文明を学習するときにでてきた言葉だったからです。しかし、サイードのオリエンタリズムはそんな単純な話ではなかったようです。この文章でのオリエントは東洋を表しています。よって我々の住んでいる日本も含まれることになります。この考えを簡単に述べると西洋が東洋に優位性を保つ思考です。例えばオリエントは自然とオリエントとなったわけではなく西洋との違いでオリエントに人為的に仕立て上げられたということができます。西洋はオリエントとの違いで自分たち自身を認識するのです。西洋と東洋、これは昔からある大きな二項対立です。二項対立にどちらか一方に優位性が生じてしまうというのは、デリダが論じた脱構築に通じてくる話かもしれませんね

さあ、これで私の今学期のブログは最後となりました。ブログを書くという作業は初めての経験でしたが、考えを整理できるのが良いところだと思いました。今学期思ったこととして、他のメンバーよりも圧倒的に作品に触れている数が少ないと感じました。経験不足であることを正直感じています。まずは力不足の自分を認めることから始めます。そして来学期に向けてやることは決まっています。とにかく作品を読みまくる!経験あるのみ!成長した自分を秋学期から見せられるように頑張ります!!!

少し長くなってしまいましたが、これで終わります。次は秋学期で会いましょう!

「いつかこの個性をちゃんと自分のものにして、僕の力でキミを超えるよ」

                            僕のヒーローアカデミア 緑谷出久