第10回のブログを担当します、中村です。このブログの担当も、残すところあと2回となりました。あっという間に春学期が終わってしまいますね。
今回のゼミでは、第9回の続きからで『映画理論講義』の「映画と言語活動」という章の一部分を読みました。その後、映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の分析を行いました。発表はフェンさんが担当してくれました。
続いて、第10回の発表である、『映画でわかるカルチュラル・スタディーズ』の「セクシュアル・サブカルチャー」という章を途中まで読み進めました。こちらの発表担当は山崎さんです。
まず、「映画と言語活動」に関してですが、ここでは映画の言語活動において多様な表現素材が組み合わされているということが示され、それらの素材と結びつく映画に固有なコードと非固有なコードが映画には存在しているそうです。これを踏まえて映画を分析すると、ラストのキスシーンをつなげたフィルムを見るシーンが、特徴的な音楽という映画に非固有なコードと、独特のフィルムのキズつきという映画に固有なコードから、それを見ている主人公と観客がノスタルジックな感傷にひたる時間を演出しているのだと分析できます。
次に、「セクシュアル・サブカルチャー」では、クィア・サブカルチャーの分析手法が書かれていましたが、今回は途中までしか読むことができませんでした。そこでは、ヘテロセクシュアルの白人男性が特権的に優遇されていることが書かれ、それに対抗する闘いとしてクィア・サブカルチャーが取り上げられていました。これは、覇権文化に対しての抵抗や拒否の語りを表現する集団です。特徴として、覇権的集団に取り込まれるために運動するのではなく、法益非剝奪者の立場にいます。後半部分では、マドンナを事例としてアイデンティティカテゴリーからの分析手法を見ていくことになります。
今回は前回の続きからのスタートでしたので、ブログの内容は少し短めですが以上で第10回のブログを終わります。