3年ゼミ第8回のブログを担当します。中村美咲子です。
前座
今回の前座は私が担当しました。
そこでは私の好きなVtuverのアニメプロジェクトについて紹介しました。普段はゲーム配信を主に活動されているのですが、視聴者からアニメ制作のできる人を募集して実際に3分のアニメ動画を作成しました。そのアニメは彼の活動をなぞるような内容で、ファンにとってはとても思い出深いものであると同時に、彼の周囲の人との関係性も浮かび上がるものとして、紹介しました。
3限
早速発表の内容についての紹介なのですが、3限では山崎さんが批評理論入門の「間テクスト性」と「メタフィクション」について発表してもらいました。
「間テクスト性」では、「フランケンシュタイン」に影響を与えた作品や、その特徴がみられる作品を具体的に挙げられていました。それについて我々は、それらの作品について、「フランケンシュタイン」との間テクスト性がみられることを認めつつ、果たしてその間テクスト性によって、なにがいいたいのかが曖昧であること、そこに存在するイデオロギー素についての分析がなされていないことを指摘しました。4限でも触れたのですが、クリスティヴァは「間テクスト性」を用いて、その世界を変えようと影響を与えようとしていたのですから、我々もその文脈を受けついでいくことが求められてなりません。また、もう一点議論されたのが、間テクスト性として挙げられた作品が小説や絵画にとどまっていることです。より歴史的・社会的文脈に沿って考えられるのではないかと究明されました。
そして、過去の作品を取り込んでいるという点が、いわゆるパクリの問題につながってしまうのではないかという疑問があがりました。我々は、その類似性の高さや利益の侵害性がひとつの基準軸になるのではないかと考えました。また、作品の中で、独自の創作性がどれだけ含まれているのかという視点でも考えられるのではないかとされました。
次に「メタフィクション」は、語り手が語りの前面に現れて、読者に向かって「語り」自体について口上を述べるようなものとして紹介されました。我々はこの手法が実際にどのように使われているのか、またそれを用いることでなにが起こるのかを話しました。そこで、第4の壁という、舞台などで使われる特殊な表現方法を知りました。また、本文では、作り物にすぎないことを伝えることができるものと紹介されていましたが、作り物であることを読者や観客が意識している状態で、メタフィクションを使うと没入感を強める効果もあるのではないかと考えました。
4限
4限は、秋尾さんによる、ジュリア・クリスティヴァの「セメイオチケ」についての発表でした。そこでは、文学テクスト記号論がどうあるべきか、という論点に対して、言葉の結びつきかたを研究し、対話空間の中でさまざまな結合の仕方に対応する形式表現を見いだすことという結論をあげていました。また、テクストが歴史と社会に位置づけられることや、言語学や論理学との差異を提示し、独自の展開が求められることを指摘しました。
発表の中で先週学んだ異化のように、社会に訴えるような意味をもった理論だという指摘があり、シクロフスキーと同時代のロシアフォルマリズムの系譜であることも再確認されました。
さらに、発表のあとには、連辞と体系という二重性という部分について、先生が詳しい事例を挙げて説明してくださいました。それによって、二重性とは統語的な文章の正しさと連合によって補完される意味という二つの対話的特徴があり、これらが水平と垂直に交わることで、二重性の構造を生み出しているのだと思いました。
今週も非常に難解な文章でしたが、なんとか乗り越えることができたと思っています。
最後までお読みくださりありがとうございました!