何事にもバランスが大事

とうとう4年になってしまった内藤ゼミの8期生、大本祥平と申します。

初めての方ははじめまして、なんか見たことあるなと思ったそこのあなたはお久しぶりです。

簡単に自己紹介を再度。

大本祥平です。

趣味はダイビングや音楽ライブに行くこと、ドライブや旅行などです。最近はゴールデンウィークにフェスにいきました。

サークルもダイビングでして、昨年までは幹事長なんてもんをやってました。沖縄とか静岡とかで潜ってます。

4年生ということで卒論がありますが、完成を目標に活動していきます。その過程を本ブログを通して、皆様にはお付き合いいただければ。

今年度から8期生は映画分析入門を用いて、映画を見て、それを批評や分析する活動を行っています。

かく言う今回私が本ブログを担当する際にも映画を拝見して、それを元にディスカッションを行いました。

今回は「突撃」です。

作品の構図

この作品の分析を、関口が発表してくれました。

今回の授業では作品内の構図がもつ作品内での意味を考察してきました。

①「密度

画面の中で人やものが密集しているかどうか

画面の中で人やものが密集した形で描かれることで受け手には登場人物の抱える追い詰められている心情や、閉塞感を表現。一方まばらに描かれることで余白を生み、空虚な空間を生み出すということですね。

広い部屋にぽつんと1人で佇む男、そんな姿を見たらなんか哀愁感とか虚しさを感じますよね。

②「登場人物の位置関係

登場人物が画面のどこにいるかによって意味を持たせる

画面の中央や上半分にいた場合は、その人物は作品では重要な人物であり、逆に下半分にいた場合はそこまで重要でない人物や従属的な人物である。(例外あり)

画面に映る人物の大きさについても言及されていました。

画面で大きく映し出させる人物は重要であったり、その人にオーラや威圧感を感じる。一方で小さく描かれる人は無力感や疎外感を感じる。

今回はこの他にも「前景と後景の対照性」や「画面内での対照性と非対照性」に着いても言及されていました。

そんな中で特に、構図という観点を構造分析的に見るとどうなるかという話題が上がって来ました。

「構造主義的に分析を行えば、本作品の中で歌が作品の締めで出てきたのが説明できるのでは?」

二項対立の構造を確認し、その対立の変動を見ることで最終的にどうして歌が最後のタイミングで歌われたのかが説明出来る、、ということでした。

まず初めに「突撃」の中で見られたのは

フランス VS ドイツ

の二項対立です。敵のフランス。味方のドイツ軍という構造です。

その後に

上官と部下

の対立項

この流れで他の対立項にも目を向けていくと

「食事」と「女」 「死」と「怪我」

▶︎このふたつの対立も上記の上官と部下の対立から波及するものでもあります。

「人」と「獣」 「男」と「女」 「個人」と「群」

と続いていくことが確認できました。

ここまで対立項をあげてきたことにより、戦争中の兵士たちがみんなでひとつの歌を口ずさむ、最後のシーンの中から

「戦場」と「日常」

の対立構造が浮かび上がり

人としての感性を取り戻していったのでは無いか

と考えることが出来ました。

しかし最後のセリフである

「少し待ってやれ」

から、今後また彼らは戦争に駆り出されることが暗示されている。

つまり、戦争の描写から始まり、みんなで同じ歌を口ずさむことによって、つかの間の日常を取り戻したものの、また戦争に駆り出されていく。永遠と続いてしまうかのような「循環」が見受けられるのではないか。

終わりなき戦争の二項対立になるのでは無いのかというのが途中で出た仮説ですね。

ただその後の注目したのは、「歌どドラムロール」です。

本作品では

歌は日常

ドラムロールは戦争

のメタファーを表すのでは無いか。

では、最後のシーンで歌とドラムロールの両方が流れていることが確認できるが、これらの流し方によっては「循環」ではなくなるのでは無いか。

そこで最後のシーンを確認したところ、歌とドラムロールは重なって同時に流されていました。

もし歌が切れて、ドラムロールが別々に流されているのであれば、日常は終わり、戦争がこれからまた始まることを表すことが出来るだろうが、同時に流れているため、循環構造ではないのでは。

つまり今後の展開に

変化の可能性を示している

と考察しました。

全く同じ戦争を繰り返さない、人の進歩の可能性が暗に描かれているのでは無いかという事で「螺旋」構造で現せるのではないか、結論を出しました。

最後に

今回は「突撃」を参考作品に映画分析入門を理解、分析、考察してきました。

私の説明力の不足により、少々分かりずらい所もあるかと思います。

「突撃」、こちらを見ていただければ、二項対立の対立項として上げているものたちもご理解いただけるのではと思っていますのでよければご覧下さい。

長らくお付き合いいただき、ありがとうございます。

では。

9期生第2回 語る存在と見る存在のはなし

はじめまして。9期生2回目のブログを担当します、高山花恋と申します。

最初なので簡単に自己紹介をしようと思います。

とにかく猫が好きです。友人からもはや猫派ではなく猫過激派だと言われたことがあるくらいには好きです。(犬派を弾圧とかするつもりは毛頭ありませんが)

あとは前回阪口さんがサークルの話をしていたので、私もサークルの話を。
実は3つのサークルに入っております。どれもガチサーではないのですが、どういうわけか忙しい時期が被りがちなので結果的にセルフガチサーをやっている状態になったりもします。余裕を持って生活できるときは来るのでしょうか。

そんなことを言っていますが、2回目の授業から2週間が経過してしまい、既に余裕がないので早速4月27日の授業の内容に参りましょう。

[前座]

前座は白井翔大くんでした。

前の週の前座を担当した滝沢くんに引き続き、アイスの話から始まりました。pinoが好きだそうです。

また、おすすめの漫画として『これ描いて死ね』を教えてくれました。
漫画好きの女子高校生が、自ら漫画を描くことに挑む物語。作品を生み出す苦しみも歓びも余さず描かれるとのこと。

漫画好きとしては興味を持たずにはいられないなぁと思います。

3限を担当したのは阪口緑さんでした。
重要なところはその都度「ここ重要なのでマーカーを引いておいてください!」と言ってくれたので、レジュメがあとから見返しても大変わかりやすいものになりました。ありがたい。

[語り手]

まず語り手について。
小説には、「語り手」が必要である という一つ大きな約束事があります。

語り手は、大きく以下の二つに分けられます。

①一人称で語る、物語世界内的語り手
②三人称で語る、全知の語り手・物語世界外的語り手

ここで「二人称で語る語り手はいないのか?」と疑問に思う方もいるかもしれませんが、ゼロではないにしろとても稀です。

次に、信頼できる語り手・信頼できない語り手、含意された作者について説明してもらいました。
この概念は、文献で(私からしてみれば)無駄に受動態が使われていたりするせいでかなりみんなを悩ませていました。

結論から言うと、

含意された作者=読者が、作品内の規範などについて「作者がこういう規範を決定したんだろう」と作者を観念化した存在
◎含意された作者と同じ価値観の語り手 ⇒ 信頼できる語り手
◎含意された作者と価値観が異なる語り手 ⇒ 信頼できない語り手

ということになります。

[焦点化]

ここから焦点化の話に入ります。
焦点化については4限を担当した柴田千華さんも説明してくれたので、二人の説明を私なりにまとめて書いてみようと思います。

注意すべきなのは、あくまで“視点”の話であること。普段小説を読んでいてもなかなか意識しない部分なので混同しやすいですが、語り手とは区別する必要があります。

焦点化は大きく①外的焦点化 ②内的焦点化 ③焦点化ゼロ の三つに分けられ、内的焦点化はさらに固定内的焦点化、不定内的焦点化、多元内的焦点化に分けられます。

まとめると以下の通り。

外的焦点化:焦点人物が物語の外側にいる場合。登場人物の思考や感情は記述されない。

内的焦点化:焦点人物が物語の内側にいる場合。ある登場人物を焦点人物とし、焦点人物の思考や感情のみが記述される。
  ・固定内的焦点化:焦点人物が固定されている場合
  ・不定内的焦点化:焦点人物が変わる場合
  ・多元内的焦点化:同じ出来事に対し複数の焦点人物がいる場合

焦点化ゼロ:「神の目」「全知の語り手」すべての時・場所の出来事、あらゆる登場人物の内面を記述できる。

ここで先生から、議論を深めるために二つ質問を挙げていただきました。

まず一つ目。
・焦点化ゼロと内的焦点化は1つの作品に共存するのか?

結論としては、共存する という答えになりました。
あくまで焦点化ゼロは、物語外に焦点人物が設定されているものです。なので、焦点化ゼロの中で、一つの方法として内的焦点化を採用することも、どこにも焦点を決めないことを採用することもできる、という。
「神の目」なのでなんでもできるということですね。

そして二つ目。
・焦点化ゼロと外的焦点化の違いは?

この二つは、物語外に焦点人物がいることは同じです。
何が違うかと言うと、登場人物の内面について書かれる際、焦点化ゼロでは内的焦点化を採用しますが、外的焦点化では「~と思われた」などの伝聞・推定のような書き方になる部分という結論になりました。

最後に、「ともにある視像」が重要な概念として挙げられましたが、時間が足りず未解決案件となりました。

以上、第2回のゼミの内容でした。ここまでお読みいただいたみなさま、ありがとうございます。

本来ブログを2週間以内に書かなければいけないのに少し過ぎてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです。GWと休講のおかげで一応第3回のゼミの前には記事を上げることができたので許されたい…
完全に言い訳ですが、今月が冒頭に言ったセルフガチサー月間なので…なんとか乗り越えたい…

次回私がブログを書くときにはきちんと2週間以内にアップしたいと思います!

高山花恋