一か月ほど前の出来事になってしまいました。いくつになっても夏休みはあっという間です!記憶と記録を辿りながらですが、ご報告いたします。
8月14,15,16日にかけて、山梨県の清里セミナーハウスにて夏合宿を行いました。
期間中は連日雨模様。ひたすらに議論を繰り返すだけだったので問題なかったですが、やはり晴天のなかで行いたかったですね、来年に期待します。
さて、初日は朝に集合し、バスと電車を乗り継いで、セミナーハウスには16時ごろ到着しました。先に宿泊していらっしゃった先生と合流し、しばし休憩をしたあとさっそく活動へ。
3年生の夏の課題論文に関する発表、議論を行いました。仮の者もいますが、論点、題目を挙げて簡単に紹介します。
増尾 白虎隊の物語が今なお繰り返し作品の題材となっているのはなぜか -複数のテレビドラマ作品を比較分析する
大下 神仏分離令によって民衆の死生観はどのようになったのか -河鍋暁斎楽画を用いて民衆の死生観を探る

まだまだ手探り状態の3年ですが、4年生のアドバイスにヒントをもらい、なんとかこの夏にいいものを仕上げようという気持ちになりました。論に必要な章とそうでないものの判断、事例に関して読み手が理解できる記述がされているか、あとは課題の進め方についてなどなど……。本当に身になりました。
議論を終え夕食の後、小雨の降る中、息抜きに手持ち花火で夏を満喫しました!

線香花火で耐久レース、ギリギリまで詰められた火薬に恐怖……など、髪を湿らせながら楽しみました。
2日目は4年生の課題論文についての議論。4年生は卒論に向けたアウトラインを持参しており、3年生に比べて研究の進み具合、論旨の明確さなど、段違いの精度です。
横野 表象作品において、女性は逃げ、走ることで何を獲得するのか -女性が逃げ、走るという「闘争」によって得ているものを作品から読み取る
相田 『あなたの人生の物語』から見る目的論的物語 -作品内で取り上げられた目的論と因果律を理解し、作品の語られた意味を見出す
室 『ジャングル・ブック』(1894)において描かれるキプリングの理想の社会はどのようなものか -キプリングのもつ独自の思想を考える
前田 古典文学とゾンビの融合(マッシュアップ)が生じたのはなぜか -『高慢と偏見とゾンビ』を用いゾンビの批評性を論じる
提中 小説『怒り』を通して人間関係について考える。”信じる”コミュニケーションとは何か -作品を用い””信じる””ことへの考察を行う

丸一日の大議論でしたが、7人で意見を述べあい、お互いの主張を高め合いました。4年生は今までの経験値を活かし、3年生は素朴な疑問をぶつけ、とても良い時間を共有できた気がします。
夜は再び集合して、映画を鑑賞しました。
『スイミング・プール』フランソワ・オゾン監督 2003年
――スランプ中の英国のミステリー作家、サラ(シャーロット・ランプリング)は、南仏にプール付き別荘を借りる。しかし突然借り主の娘、ジュリ−(リュディヴィーヌ・サニエ)が現れ、彼女の生活は一変する。(引用:シネマトゥデイ https://www.cinematoday.jp/movie/T0001952)――
先生含め8人という人数で映画を鑑賞したことがなかった私大下にとって、全員でリアクションが取れたり、終わった瞬間に各々の意見が聞けたりと、非常に楽しい体験でした。皆驚いたり恐怖したり首を傾げたり、、、。とにかく分析しがいのある映画だね、ということで就寝しました。
翌日、朝10時ごろから昨夜の映画について分析、議論。本記事で発表した内容をまとめようと思ったのですがあまりにも長くなったので、すみませんが割愛させていただきます。また別の機会にこっそり発表するかもしれません。
非常にざっくり分析をまとめると、「この物語は男性性と女性性についてをテーマにしており、親子についても描かれている。」という感じです。いい線までいったけれど、先生の講評でさらに理解が深まったという感じでした。まだまだです……!

最後にせっかくなので帰る直前に少しだけ周辺観光。清泉寮に行き、お昼を食べてお土産を購入しました。


ということで、密度の濃い3日間でした。夏課題、頑張ります!

(文:大下由佳)