3年ゼミ 第4回

ブログでは初めまして、5期生の川田美沙と申します。
3年ゼミ第4回では引き続き『批判理論入門-「フランケンシュタイン」解剖講義』より「5. 提示と叙述」「6. 時間」と、ジェラール・ジュネット著『物語のディスクール』より時間に関する章「2 持続」を取り扱いました。

今回も批評理論や用語の確認を中心に議論を進めていきました。
まずは提示と叙述について、前者は語り手が介入せずあるがまま示すこと、後者は語り手が出てきて読者に対して解説する形であるという違いがあります。
また、作品ではストーリーとプロットで出来事の順序を変えるアナクロニー=錯時法が用いられます。これは2つにわけられます。ひとつは出来事を語っている途中で過去の場面へ移行する後説法、もうひとつはまだ生じていない出来事を予知的に示す先説法です。
そして、物語内容における時間的持続と物語言説のそれとの関係によって、物語言説の速度は大きく4つに分けられます。ひとつめは省略法で、物語言説(ページ数など実際の空間的な量)は停止し物語内容(物語で経過したと語られる時間)のみが加速する、いわゆる「話が飛ぶ」ところです。ふたつめは休止法といい、先ほどとは反対に物語内容が停止し物語言説が加速する、描写に代表される部分です。3つめは情景法で、二つの持続の関係が等しい、台詞の部分にあたります。4つめは要約法といい、物語内容が物語言説よりも速く、主に叙述と呼ばれるものはこれにあたります。
これらのうち省略法には、時間的観点からみて省略された時間が明示される限定的省略法と、明示されない非限定的省略法に分けられます。また、形式の観点からみたとき、明示的省略法と暗示的省略法に分けることもできます。前者では省略した過去の時間そのものを指示する、もしくは省略の後に経過した時間を指示することになります。後者は存在そのものが明示的でないため、読者が時間的順序の中に何らかの欠落があるとか語りが中断しているという事実から、これを推測する必要があります。
ジュネットはプルーストの作品『失われた時』を具体例として持続について語っています。プルースト以前は情景法は物語の劇的な展開において用いられ、非劇的なものは要約法によって大きく要約されていました。しかし『失われた時』では情景法を非劇的な展開で用い、要約法を物語の最高潮にもってきたという点で注目に値する作品であると述べています。

とりわけこれまでの私たちの議論の中で、とある顕著な傾向があると指摘がありました。
批評理論を適用するときにありがちなこととして、ある作品における著者の意図やある作品から読者が読み取るであろう解釈を想定したうえで語りがちであること、つまり無意識に著者や読者といった何かに依拠してテクストを語ってしまう場合が多いのです。
私たちはこれを自覚し意識した上で、どちらの立場でもない視点(社会情勢や文化的背景など)で作品と向き合わなければなりません。これから各々で作品を考察し調査していく際に重要になる部分ですので、今後のゼミの議論でも上記のような姿勢を習慣づけていく必要があると感じました。

また、今回扱った『物語のディスクール』内の文章がかなり抽象的であったため、読解するのに大変苦労しました。互いに意見をぶつけ合い、途中かなり混乱してしまいましたが、先生の助言をもとになんとか理解までには至ったと思います…。批評理論について理解を深めるよい機会になったので、「わからない」をはっきりさせてわかるようになるまで議論することはとても大切ですね。今のうちに「わからない」を積極的に解きほぐしていきましょう!

ちなみに先週分の課題が残っていたのですが、授業時間内でそこまでたどり着けませんでした。やはりやり残しは授業の初めのほうでやるべきでした…。そして今回は休憩のタイミングも逃してしまい2コマ連続でした…。個人的に反省点も多かったので次回からは改善していきたいです。

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